初めての現場の話

気持ち悪めのブログ紹介記事を書いてからおよそひと月、やっとジャニオタらしいテーマの記事を書きます。

 

去る12月4日、『ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?』の大阪公演に行ってきました。ド田舎民だったことも手伝って長らくお茶の間のゆるオタであった私にとって、初めてのジャニーズ現場。原点にして頂点になることを約束されたこの体験を、どうにか記憶の鮮明なうちに記録しておかねばならない――と思っていたが何やかんやでもう一週間経っていた。というわけで、本当に忘れてしまう前にさっさと時系列のレポを書いてしまいます。

 

9月14日の18時半過ぎ、LINEの通知音が鳴った。

「おつかれさまでした」

福岡公演に申し込んでいた友人からの、落選を意味するメッセージだ。この時私の元にはまだ抽選結果を知らせるメールは届いていなかったが、専用ウェブサイトで当選を確認済みであった。報告を引っ張って引っ張って「当てましたイエ~~イ!!」の方が喜びもひとしおだろう、とかいらん事を考えた私は、19時過ぎまでじっとメールが送信されるのを待ち、綺麗にトリミングしたスクリーンショットと共に返事を送った。

 

今や「宝くじ並みの当選確率」とも言われる嵐のコンサートチケット抽選を勝ち抜けたのは、ひとえに私が今年度入会のド新規FC会員であったためだと思われる。やはり新規優遇は都市伝説じゃなかったのか…と微妙な気持ちになりながらも、当選を知らせるきらきらしたメール画面を見るとどうしようもなく嬉しかった。

 

当選してからというもの、我々はそれはそれは浮足立っていた。

コンリハと称してカラオケ店や自宅に集まってはコンサートDVD上映会をした。出戻りオタの友人に「嵐をこの目で見られると思うともう無理(頭抱え)」と言っては「うぜえ」と言われた。『古今東西:アルバム収録曲以外で歌いそうな曲』も(一人で)した。それはそれは浮足立っていた。なんなら少し浮いていた。

 

そうしてふわふわしたまま公演当日を迎える。

座席に着いて開演を待つ我々はさながら「やばい吐きそうbot」であった。なにしろ席が席なのだ。一塁側スタンド下段、事実上の最前列(厳密に言うと3列目あたり)だった。あれがメインステージ、そこから左右に向かって伸びている花道、トロッコやフロートの乗降がすぐそこで、こう外周回って…近い、近すぎる。結果、我々の日本語の語彙は3ほどに減少した(内訳:やばい/無理/吐きそう)。公演終了後、新規会員へのチケット優遇は“座席含め”であることを先輩ファンからお聞きするのだが、この時までは自分は「持っている女」だと思ってそこそこ調子に乗っていた。

 

そうこうしているうちに開演の時間が近づく。10分前になって化粧室に駆け込んだ私がオープニング映像を見逃さなかったのは奇跡としか言いようがない。

 

5人が登場した時、不思議と涙は出なかった。

それだけではない、公演中一度も泣きはしなかった。もちろん憧れの人物を目の当たりにする感激はあったが。嵐のコンサートを見に来ているのだから嵐が出てくるのは至極当たり前なことなのだが、この『非日常的現実』を現実として受け入れられない、というか…すみません思考の言語化が苦手なんです。呆然としていた、という表現が近いだろうか。眼前の非日常をうまく処理できないままに曲はスタートする。泣かせる暇も考える暇も与えない、その瞬間瞬間で“楽しい!”しか考えることを許されなかった。

 

「アイドルをこの目で見るまではこの世の生き物だとは認めない」「彼らはきっと二次元の住人」「プロジェクションマッピングなのでは」等々の考えを持っているオタクは少なくないのではと思います。かく言う私もそう考えるオタクの1人でした。

で、「アイドルをこの目で見」た今、どう思っているかというと、結局あまり変わってない。

 

コンサート全体の感想を一言で言うならば、「DVDを見てるみたいだった」である。これは決して悪い意味に取らないでほしい。一緒に入った友人は、自身のファンであることを主張する“名前うちわ”を視認した相葉雅紀さんから笑顔と共にお手振りを頂いていたし、MCの際には会場の歓声に対して5人からの確かなリアクションがあったし、呼んだらもう一度出てきてくれた。このように、コミュニケーションはその都度とっているはずなのに、かなりの近さで彼らの姿を見たのに。どうしてか、アイドルと自分の間にはやはり液晶画面があるような気がするのだ。不思議だ。この謎についてはまだまだ考える必要がある。

 

およそ3時間の公演はあっという間で、先にも述べたが、本当に“楽しい!”しか考えられないコンサートであった。なんてありきたりでつまらない現場総括だろう。だがしかしこれに尽きる。大阪を発ち、見慣れた駅で新幹線を降り、慣れ親しんだローカル線に乗り換えたその時、寂しさと感動が一気に押し寄せて来て、初めて涙が出そうになった。どこまでもベタな感想。

 

そういえば、現場を経験したことで新しい感情が生まれました。

公演終了後、大阪在住の友人宅にて、相葉さんから個別ファンサを頂いた話を嬉しそうに繰り返す友人に対し、「貴様誰のお陰でこの公演に入れたと思っている」と、つい言ってはいけない事を口走ってしまった。私は基本的に「ファンサを貰いにコンサートへ行く」というスタンスのファンは苦手なのだが、こうも間近でファンサを受ける様子を目の当たりにすると(実は隣の女の子も相葉さんから指さしを頂いていた)、「自分も担当に特別扱いされたい」という感情が沸々とわいてくる(ちなみに私の担当は櫻井翔さんである)。そんなこんなでこの台詞であった。コンサートは干物女をもメスにする。恐ろしい。

 

という感じの初現場の話でした。

現場の楽しさを知った今、冠婚葬祭でも被らない限りコンサートには申し込むフットワーク軽すぎお姉さんになる未来しか見えず、腹がキリキリ痛みます。夢の国はなんべん行っても楽しいに決まっている。今は嵐に加えて、ちょっと気になっているSexyZoneのコンサートに行きたい。来年はツアーが行われるだろうか。

 

とりあえず、いつとも分からない次の現場のために、早いとこアルバイト先を見つけようと思います。